花菜のサラダ
2010.03.05 Friday

「汽車は関ヶ原を出てから間もなく近江の国境にはいる。両側の平地には菜の花が一面に咲き乱れて見渡すかぎり遠くまでつづいている-------」
明治の終り汽車で京都に向う途中の風景を谷崎潤一郎はこう記しています。童謡にもうたわれた通りかつての日本の春はどこもかしこも菜の花畑がひろがっていました。
古都奈良に春告げるお水取りも始っていよいよ春間近か、八百屋さんの店先には花菜が春を告げています。花菜とは、寒咲菜種と呼ばれる寒さに強く品種改良された菜の花。なんとお正月には、もう花をつけ切り花として重宝されていますが、そのつぼみの時期に収穫したものが小さな束で食用として売られているのです。とはいえ雪が舞ったりキリキリ冷えこむ頃はいくら店頭に並んでいてもあまり意識しませんが昨今の春めいた陽気になるとようやく「あ、花菜」と気づくのです。
菜の花は、室町時代ころからその花のあとの実からとれる菜種油が灯りとして、又食用油として重宝され広く栽培されてきました。
しかし石油の登場、そして電気の普及で灯りとしての用途はなくなり近年では食用油としてだけになり、かつてのようではなくなりました。
近頃、デパートには、食用としてつくられたバラやハイビスカスなどが食べられる花、エディブルフラワーと呼ばれて売られていますが、花菜は食用菊と並んで日本を代表するエディブルフラワー。
かわいいつぼみの先からちょっと黄色く色づいた花菜には、春の先陣をきって登場した野菜の生命力とエネルギーがあふれています。
からしあえ、おひたし、天ぷら--------いずれもそのほろ苦さがいかにも春の味。
「春は苦味を盛れ」のことわざ通り、その苦味には冬の間じっとたえてきたヒトのカラダをめざめさせてくれる力があるのです。
この花菜、サラダにするといっそう春の味が楽しめます。太い茎には縦に包丁を入れ、沸騰したお湯に塩をひとつまみしてさっとお湯にくぐらせたら冷水に---------。花菜のみどりがいっそう鮮やかに変わります。一寸豆のゆがいたのとグレープフルーツの酸味をそえて軽くドレッシングを---------。食卓に春がスタートします。
花粉のニュースが毎日つづき、街中にマスクをした人が急にふえました。今年こそ「はじめてのお灸 moxa」で灸養生。つづけてみてはいかがでしょう。




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