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春のフィナーレ 藤の花

 

今年の立夏は5月5日ですが、その直前のちょうど今頃の季節を季語では「春深し」とも呼びます。
「春深し」とは行く春をおしむ気持ちから出たコトバ。
他に「秋深し」というのはあっても「夏深し」とか「冬深し」はありません。
春というのは秋とともに季節の中でいちばん、その訪れを待たれる季節なので生まれてきたコトバのようです。

その春のフィナーレを飾る花とされるのが藤の花。
藤はそのみやびな色からも、初夏のまぶしいような明るい光も似合いそうなのですが、先人たちはあえて春に位置づけて、藤の花の色に春の名残りを託してきたのです。


平安時代には「色のなかの色」とも呼ばれるほど淡い紫のこの藤の花の色は高貴な色として、古くから上流階級にとても大切にされてきました。
藤色をつくり出すのは、かつては紫草の根からつくったり、紅花と藍をかけ合わせたりしてつくっていましたが、そのつくり出された色は、19世紀後半に生まれた化学染料の藤色に比べ淡く、とても気品のある色で重宝にされていたことが伺えます。

藤という字の漢字には中国ではツルという意味があるそうですが、森の中を自由に根をのばし、他の木に巻きついてどんどんひろがる藤は、杉や檜を育てる山の人たちにはきらわれもの。というのも、ほうっておくと木に巻きついてギリギリ絞めあげ木を枯らしてしまうことさえあるからです。

しかし山の人たちに不人気の藤のつるは、布にもされてきました。
「原始の布」とも呼ばれる藤のつるで織った藤布の歴史ははるか縄文時代。
縄文人は山野に自生する草や木の繊維から布を織って衣服などにしていましたが、一番手に入りやすい藤から織られる藤布は、後に木綿が伝えられるまで長く日本の衣料を支えていたのです。

房のようにして根元から咲く藤の花房の一番先の花が咲く頃には、自然は春のプログラムを終え夏にバトンタッチするのです。

いよいよ来週は5月、初夏です。
昼の時間がすっかり長くなって睡眠不足の日々も…
「はじめてのお灸moxa」を足の裏のツボ、湧泉に。
ぐっすりねむれますよ。


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