糊こぼし
2007.03.09 Friday
3月に入り、三寒四温でやってくる春への転調。
あたたかい日が少し長くつづくと気持ちもからだもついつい油断していると突然キュッと寒い日が…「やっぱりお水取りだもの」とかぽかぽか陽気がつづいても「まだ、お水取りが終わってないから」とか言うように、例年3月に行われる奈良の「お水取り」の間はふしぎにきびしい冷え込みの日があるものです。
お水取りは、正式には東大寺2月堂「修二会」もともと旧暦2月1日〜14日におこなわれいた行事、準備から数えると約1ヶ月練行衆と呼ばれるえらばれた僧が、一般の人々に代わって苦行をひきうけ2月堂の本尊十一面観音に国家安泰などを祈願する法要なのです。
1200年をこえて、一度もかかすことなくつづいているという行事は、2週間にわたってさまざまな儀式がおこなわれますが、クライマックスは13日の未明、2月堂の下の若狭井から本尊にお供えする香水をくみあげる儀式のことなのですが、一般には、カゴ松明(タイマツ)と呼ばれる巨大な松明(タイマツ)をかかげて二月堂の欄干をあたりいちめん火の粉をふりまきながらかけめぐる「おたいまつ」のほうがよく知られています。
そしてお水取りが終わると奈良はゆるやかに春を迎えます。
2月堂近く、良弁僧正をまつる開山堂の有名な「糊こぼし」と名づけられた椿の開花も間近です。
「糊こぼし」の名は、お水取りに先だって練行衆によって本尊にお供えするために、紅花で染めた和紙で椿の造花をつくる「花ごしらえ」の儀式がおこなわれますが、あたかも、その時あやまって造花の椿に糊をこぼしたかのように、この椿には紅色に白の斑点があるところから名づけられたといわれています。
また、この時期街には期間限定で糊こぼしの名でかわいい練り切りの和菓子も売られています。
もう春を迎える準備は出来ましたか。
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コリはお灸でほぐれる優れものです。