<< 春は寄り道回り道 | main | 朝の公園 >>

The 木の芽



春、この時期を待ちこがれていた植物がいっせいに芽を出します。千をはるかにこえる植物の新芽の中で「木の芽」と呼ばれる山椒は数ある新芽の中でもまさに「The 木の芽」。

山椒がそこまでいわれるのはなんといってもあの香り。春の椀のフタを取るとひろがる豊かな香りはまさに春。「木の芽」と呼ばれるにふさわしい日本の香りなのです。

春の「木の芽」についで、小さな黄色の花をつける「花山椒」、青山椒とも呼ばれるみどり豊かな「実山椒」そして秋になり実が熟してはじけるとその皮は粉にされて「粉山椒」。さらにゴツゴツした荒皮の下の甘皮は乾燥しておいて必要な時に、刻んで塩昆布を炊いたりします。これは「辛皮」。山椒はまさに木全体が山椒なのです。

その香りの良さは料理の仕上げに欠かすことのできないところから、今では芽の出る時期がコントロールされて年中デパートに並ぶ木の芽ですが、京懐石の辻留さんは、木の芽を使うのは3月のひな祭りからせいぜい4月一杯までとしていたそうです。それほどまでに豊かな春を届けてくれた自然の配慮に対して決して甘えてはいけないとの思いからだったといわれています。

木の芽のあの香り、ふしぎなことに山椒の木に近づいてもほとんど匂いはしません。手でちぎったり芽を傷つけたりするとあの香りがワッとひろがるのです。
子供の頃、春のちらし寿しの仕上げに庭でとってきた木の芽をパンと叩いて散らす母の姿を見て、小さな手でパンと叩いたのを今も覚えています。
英語で山椒はジャパニーズペッパー。
秋のユズと並んで、日本の香りを2分する木の芽の香りはまさに日本の香りを代表するひとつなのです。

くだもの、はな、緑茶、香木、はじめてのお灸moxaの香りは4種類。
あなたの春に似合うのはどの香りですか?
* 季節 * 10:14 * comments(0) * - * - -

コメント

コメントする









このページの先頭へ