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ぜいたく煮


ぜいたくというコトバを辞書でひくと「ものごとが必要限度をこえていること」とあります。

このぜいたくを名前にしたのがぜいたく煮。
名前の大げさかげんとは、ちょっとかけはなれた少し色の濃いだいこんの煮物です。
京都での又の名を「ひねのおこうこの炊いたん」。

ひねとは漢字で書くと老成。古びたこと。かっての日本では漬物はそれぞれの家で漬けていました。漬物というのは、オケのフタを開けると日一日味が変わってきます。どんどん食べていくうちに、どうしてもすっぱくなったたくあんがオケの底に残るもの。この古漬となったたくあんを時間をかけて、塩出しして、うすく切り、頭と腹をとっただしじゃことタカの爪を入れてコトコト煮ます。
淡口しょうゆで味をつけて、そのまま置いて味をしみ込ませ、つめたーくしていただきます。

夏の終りから秋口にかけて、ちょうど夏野菜の終るころに欠かせない京のおばんざいのひとつなのです。だいこんをそのまま煮たのと違って独特の風味と唐辛子のピリッとした辛味が微妙な味をうみ出しているのです。

京都には「始末」というコトバがありますが始末というのは、「始まりから終りまで」という意味からモノを大切にして暮らすために守られてきた日々の教えなのです。

おだい、おなす、おとーふ、おねぎ・・・・京都ではよくたべものに「お」をつけて呼ぶことが多いのですが、それはたべものには、それぞれのいのちがあり、ヒトはそのいのちをいただくことで生きている以上、だいこん一本にも感謝の気持ちを持っての意味。
そしていただくものは、なるだけ捨てるところのないように知恵を働かせて・・・・。
ぜいたく煮は、まさしくそのような京の暮しの知恵から生まれてきたものなのです。

お漬けものとして一旦完成したものを、塩出しして味をなくし再びコトコト煮て味をつける。
その手間のかかった料理法をさして名づけられたぜいたく煮は、捨ててしまっても おかしくない古くなったたくあんに再びいのちを与えることで見事に「始末」をまっとうする。その心の持ちようを表現してみせているのです。

早朝、少しひんやりとした風に気づいたら、秋の気配とからだにいいきかせ「はじめてのお灸 moxa」を、毎日の疲れを取るツボの一つ、手のひらの労宮に・・・・。
油断なくお過ごしください。
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