雨が育てる

まだ梅雨のまっただなかというのに通りぬけた台風の影響からか真夏日がつづいています。しかしこれで梅雨が明けるなんてことはあまり誰も思っていないはず。
京都では「ギオンさんが終らないと」と語りつたえられた梅雨明けの日は、気象台より信じられているのです。

青梅雨というコトバもあります。梅雨の雨に草や木が生き生きと輝いて緑あざやかにする雨のこと、この季節、森の樹々はいのちの水を根や幹にしっかり貯えて、やがてくる夏の炎暑にそなえています。

森の母と呼ばれるブナは幹に耳をあてると水を吸いあげる音がきこえてくるといわれるほど、たくさんの水をたくわえるのです。
水を貯えいのちを育くむ森はその一方で豊かな恵みをもたらしてくれます。

東日本大震災で大変な災害がおこった宮城県気仙沼でカキ養殖をつづけてきた畠山さんらが23年前に始めた森がしっかりしていれば海はよみがえると、海に流れ込む川の上流の森に木を植え海の水質改善をめざした「森は海の恋人」の植樹祭は、今年も全国から支援者もかけつけて1000本余りの木が植えられました。

森の腐葉土から栄養が海に流れ込みプランクトンを育てることで海水と淡水が入りまじる汽水域でカキが豊かに育つという考えではじまった活動を今年もとぎれることなくつづけられました。

畠山さんは植樹祭で「たとえ大津波にあっても漁師は決して海をうらむ気持ちはありません。きっとこの海から来年はカキを出荷してみせます」と力強く語ったそうです。

山に木を植える。それは人の心に樹を植えること、今年、畠山さんが植えたのは、しなりが強く折れにくいアズサの木だったそうです。

季節はめぐり、やがて夏は必ずやってきます。

ヒトが自然の営みに自分をフィットさせて生きてきた智恵を思い出すことが今年の夏をかしこくやりすごすことかと・・・。

夏の養生には「はじめてのお灸 moxa」を、足三里のツボへ。
一度にたくさんより、少量を毎日続けることが効果的です。
* 季節 * 13:22 * comments(0) * - * - -

冬の味噌汁

来週は立春というのに、雪の舞う日が毎週のようにやってきます。
      
底冷えのきびしい冬の京都ならではの食べもののひとつに白味噌仕立ての味噌汁があります。麹の奥行きのある香りと甘さには寒さを忘れさせてくれるようなやさしさいっぱいの味噌汁です。

味噌というのは、奈良時代すでに食べられていたといわれるほどその歴史は古く、日本人にはとてもなじみの深いたべもののひとつ。

戦国時代に入ると戦場に塩分の強い味噌を携行して塩分補給としたため、味噌は日本全国にひろがりました。大豆に塩、麹をまぜて自然の発酵にまかせて時間をかけて、うまみを引き出す赤味噌はさらに数年間熟成させるとあの深い色と香りの味噌になります。

それにひきかえ、京都で生まれた白味噌は、室町時代、お公家さんが同じ麹を使ってつくる甘酒の甘さを生かした味噌を所望したのがそのはじまりといわれ、赤味噌に比べ麹の量も2倍以上、塩をうんとひかえ冬でも20日もかからずで仕上がる、いわば発酵途上の味なのです。そのために色も麹の色がまだ残る浅い色で、麹の甘さがやさしいいかにも大宮人好みの味噌なのです。

冬の京都、白味噌はおいしい京野菜にはとてもよくあうように思います。京都には冬は甘味噌、夏は赤味噌、春と秋とは袱紗味噌ということばがある通り、京料理の世界では、冬は白味噌仕立ての甘味のある味噌汁を、春の声をきくに従って白味噌をへらして赤味噌を加えていきます。そして、夏ともなれば、すっきりした赤味噌の味噌汁を出します。秋になると再び白味噌の量を増やして、やがて冬には白味噌にかえる、冬はやさしい奥行きのある甘さで、一方夏はキリッとした辛味の強い味でと季節によって、その味をかえてもてなすことがあたりまえのように行われているのが京都なのです。

北山が又、雪雲の中にかくれてきました。まだまだ白味噌がおいしい季節がつづきそうです。

インフルエンザの話題がつづいています。足三里は健康増進や病気予防のツボ、毎日「はじめてのお灸moxa」をつづけて冬をのりきって下さい。寒い時には甘い香りのくだものの香りがおすすめです。
* 季節 * 10:27 * comments(0) * - * - -

京の奥座敷 貴船



京都市内から二両編成の小さな電車で山あいを北へ北へと向い、青もみじのトンネルをぬけるとそこが貴船の入口。

電車を降りて、体まで染まりそうな緑の木漏れ日の中を、京の秘境芦生峠から流れ出した貴船川の渓流ぞいにさかのぼること30分、貴船神社につきます。

平安時代都の西北に位置する愛宮山に火の神を、都の東北この貴船に水の神をまつり、都の守護神としたところから貴船は水の神様として長く京都の人に親しまれてきました。

水の神様貴船神社には境内に湧き出す流れにおみくじをひたすと占いがうき出してくるめずらしい「水占おみくじ」があります。そのためか水の神様は今や若いカップルに縁結びの神様と人気上昇中だそうです。

その貴船神社の鳥居を中心に貴船川の清流にそってはりつくように点在する十軒ばかりのお店が夏の間、その川の上に床をもうけます。これが京の奥座敷、貴船の床。この京の奥座敷は自然の恵みをたくみに組合わせることで成り立っています。数メートルの川幅いっぱいに枝を伸ばす樹々の木漏れ日が川面をみどりに染めるなか、岩にあたり白い飛沫をあげる流れの音にまじってきこえる鳥の声、手を伸ばせば届くばかり、すぐ下を流れる水は手を切るほどの冷たさ、その川を渡る冷気の中でいただけるのが川魚の女王鮎。


日本一とかのグルメの巨人北大路魯山人も絶賛した京の鮎が塩焼きにされて背ビレをピンとたてて登場します。目で見て肌で感じ自然の音をきき、舌で味わうここには五感で味わえる涼の世界があるのです。

長い歴史の中で自然から与えられたもの全てが恵みであるとして、その組合わせによって至福の時を演出する。CO2削減、エコが話題になるはるか昔にあみ出された日本人の暮しは自然に逆らわず自然のふところに飛び込むことで成り立ってきたのです。その極みが貴船の床、市内より5℃は低いといわれる貴船は、今が螢のシーズン。日が沈むと京の奥座敷はさらに趣を深くするのです。

今週、梅雨入りが宣言されました。あいかわらずの乱調気味のきのう、今日の天気。夏風邪に悩む人も多いこの季節。一日の終りにはじめてのお灸moxaを手の合谷にどうぞ-------。
* 季節 * 16:09 * comments(0) * - * - -

南天の花も咲きました



天候不順で花の開花が遅れているようですが、今週に入り平年並みの天気がつづいて柿、栗、南天など実のほうがよく知られた植物の花があいついで咲きはじめました。

南天の花は上に向って伸びた房にいっぱいいっぱい白いつぼみがついてそれが次々と黄色い花を開かせます。小さな花が次々と咲くため白いつぼみのほうが目立って遠目には花は気づかないくらいです。

南天というとなんといっても冬、ほとんどの植物が葉を落とす中で赤い実は唯一、小鳥たちを呼びよせ、庭のにぎわいを保ってくれるところから、どこの家の庭にもよく目につく植物ですが、南天は又その呼び名が「難を転じる」「災をさける」とされ縁起のよい植物ということからも庭木として植えられているのです。

南天の実は、そのまま地面に蒔いても芽は出ません。南天のあの赤い実の中には、大きな種をつつむように薄い果肉がありますが、その果肉には発芽を押える働きがあるからです。

春、温度が高くなると外の果肉が腐ってなくなると発芽OK。地面に落ちた種を少しでも確実に発芽にみちびくために南天は、すばらしい発芽装置を持っているのです。そういえば春、南天の木の周囲にはよく見るとあちこちに小さな芽が顔を出しています。

かつてお祝いごとには赤飯をたいて隣近所や親戚にくばる習慣がありましたが、炊きたての赤飯をお重に入れ、その赤飯の上には一枝の南天をのせます。縁起のいいとされる南天をそえるという意味かと思ったらこれには理由がありました。南天の葉には「ナンジニン」という成分が含まれており、熱を加えるとチアン水素が発生します。これが殺菌作用があるために南天の葉を一枝そえるのだそうです。そういえば焼物の鯛などにも南天がそえられているのもそのためなのです。

南天の実は、南天実と呼ばれ生薬として煎じてセキドメに効果があることも良く知られています。

冬、その赤い実で小鳥たちに喜ばれヒトの目も楽しませてくれる南天ですが、花の季節は実に静か、風もないのに黄色い小さな花が次々と咲いてはほろほろ落ちています。

暦の上では、10日は梅雨入り。梅雨にそなえて「はじめてのお灸 moxa」で灸養生。毎日つづけることで梅雨をのりきりましょう。そして長雨に気分も沈みがちな日には「はじめてのお灸 moxa」の香りもお役に立ちます。
* 季節 * 14:44 * comments(0) * - * - -

かたくり



「かたくりは今が見ごろですよ」ときいて奈良の大宇陀に出かけました。ところが前夜からの雨はあがったものの曇りのせいで花弁は閉じたまま------。
「かたくりはお日さまが大好きですから今日はちょっと------。」
見頃ときいていつでもOKと思い込んでやってきたことを反省。ちょっとだけ開いて見せてくれたのが写真の花。

かたくりの花は女子体操のフィニッシュでピッと両手をあげて身をそらしているポーズのように花弁を思いっきり反らしているのが特徴ですが、結局おあずけでした。

かたくりは春を知らせる花です。
春、まだ他の草花がやっと芽を出したばかりの頃、葉のすっかり落ちた林の中の落葉の間から芽を出すとすぐに花をつけて春の終りには枯れてしまい、あとは地中で鱗茎と呼ばれる百合根のような根を育てるふしぎな花です。

かたくりはその花の短さ、はかなさからスプリングエフェメラル「春のはかない いのち」と呼ばれる花の仲間、それだけに古くから注目されてきた花なのです。かたくりの花言葉は初恋。万葉集にもうたわれています。

今では春の花としてよく知られていますが、本来は片栗粉をとるための植物でした。料理に使われる片栗粉は今では名前だけでほとんどはじゃがいものでんぷんからつくられたものですが、本来はかたくりの鱗茎をつぶしてその汁をしぼってとれるでんぷんを丁寧に時間をかけて水でさらして精製したもの。

真っ白な粉末に熱湯を注いでかき混ぜるとあっという間に透明になり独得のほのかな香りのかたくり、風邪の時にお母さんがつくってくれたという思い出のある人も多いようですが、実はかたくりは滋養に富んでいる漢方薬のひとつなのです。

種をまいて花をつけるまで7年もかかるとされるかたくりですが、林が手入れされずに放置されて笹などが茂って地面に日があたらなくなったことと、たった数日間の花のためにとりつくされ、今では保護されている場所以外ではあまり見ることはできなくなりました。

漢方では、ヒトのからだも季節に順応するのが健康とされています。春らしくなってきたにもかかわらず体調がなんとなく春という季節にフィットしきれないということはありませんか。春の養生には、足三里や関元というツボに「はじめてのお灸 moxa」を-------。
* 季節 * 15:38 * comments(0) * - * - -
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